歩いているときはそこまで痛くなく、座ったり寝たりすると痛いので少し歩いてみる。 四つ木の川べりを歩く。ここはグラデーションがきれいだけれども、今日はちょっと微妙だ。

海まで8kmらしい。

前も少し書いたかもしれないが、海沿いで育ったせいか水辺が好きだ。出来れば海の朝焼けとか夕焼けが見えるところに住みたいが、 東京では海はこの上ない贅沢品となってしまった。 港区、晴海、お台場、海沿いはどんどんと埋め立てられ、拡張された土地にとんでもない価格のタワーマンションが立ち並ぶ。

もともと都会では日当たりがいい家は高いという話があったが、そのうち空が見えるのも贅沢になるのではないか。 自然界の森のように日を求めてビルは伸び続け、地上には日陰とともにつめたいビル風が吹くばかりだ。

以前冊子東京有機の中で書いたが、やはり自分が立ち入れない無関係な空間が目の前に20階、30階広がっていると、この街は余り自分に関係ない場所だなという感じがしてくる。 これは低層階に店舗を入れても余り印象としては変わらない感じがする。

もちろん無関係さでいえばビルじゃない普通の街だって自分が立ち入れない店でいっぱいなのだが、過ごしている人の圧倒的割合が自分の立ち入れない場所で過ごしていると思うと なんとなくうすら寒いというか、なんというべきか。

ビルで働いている人も、基本的に街に”降りてくる”という感覚になるだろうし、出来ればビルの中で全部済ませてしまいたいと思うのではないか。 街にを散策する余裕もないか。

少し話がずれたが、空が広い場所はこのぐらい離れたところまで来ないとなかなかない。 あとはすき間から空を覗き見る場所ばかりだ。

やはり私には都市はもう限界なのだろうか。 でも、都市から離れたら「都市にはいろいろとるものがあっていいな」とか言っていそうだ。 いや、そしたら戻ってくればいいという話なのかもしれない。

結局のところ私自身都市の価値観に染まりきっていて、捕らわれ搾取されるのを待つばかりなのかもしれない。